DMRE
概要
DMREは、Data Matrix Rectangular Extensionの略で、従来のDataMatrixコードの長方形タイプを拡張した規格です。従来のDataMatrix ECC200も長方形バージョンがありましたが、DMREは長方形サイズのバリエーションを追加して、省スペースで大容量を可能にしたDataMatrixの拡張規格です。DMREの特長は、狭いスペースでも数字で最大98桁まで格納できること、既存のData Matrixと互換性を維持していること、製品やラベルの形状に合わせて柔軟にデザインできること、更に、高い誤り訂正能力を持っていることです。DMREは、2020年にISO/IEC 21471として標準化されました。
利用分野
- 医療・医薬品分野では、GS1 DataMatrixと併用され、UDI規格に準拠した識別に使用されます。注射器、カテーテル、インプラントなど医療機器、錠剤のブリスターパックや小型容器、及び、試験管やスライドガラスなど極小面積製品
- 製造・電子部品では、DPM(ダイレクトパーツマーキング)技術と組み合わせて、耐久性の高い識別に使用されています。半導体・PCB基板、センサー、コネクタ、ネジなど小物部品、工具・精密機器など
- 物流・倉庫管理では、小型パッケージラベル、配送ラベルなどで、印刷スペースが少ない場合に使用されています。
- 航空・宇宙産業では、MIL-STD-130(米国防総省の識別規格)にも対応し、ダイレクトマーキングされています。ボルト、ナット、配線などの極小部品や高信頼性が求められる部品のトレーサビリティ
特長
- DMREは、最大で数字98桁、英数字72字、バイナリ47バイトを1つのシンボルに収容できます。最小は、数字10桁、英数字6字、、バイナリ3バイトです。
- 白または黒の値を持ちうる基本構成単位をセルといい、シンボルの縦横のセル数が異なり長方形です。DMREでは 8 x18セルから16 x 48セルまで6個のバージョンがあります。
- シンボルは、機能セルとデータ セルにより構成されます。機能セルは、L字型のファインダーパターン、上側と右側のタイミングパターン、セルの位置やサイズを認識するための補助パターンで構成されています。データ セルには、データ キャラクタと誤り検出・訂正のためのリードソロモン符号キャラクタが含まれます。
- 一部のデータ キャラクタが汚損しても読み取り時に情報を修復することを可能とするために誤り検出、訂正能力を備えています。誤り訂正レベルは、18%~38%がシンボルサイズにより自動的に決定されます。
寸法
- 最少セルサイズ(X)は、プリンタ ドットの3ドット以上が推奨されています。
- クワイエットゾーンは規定されていませんが、1セルを推奨しています。
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