特長

RFIDタグで棚卸を効率化 UHF帯RFIDモバイルコンピュータを使用して、RFIDタグを読取し、高速かつ簡単に棚卸業務を効率化できます。RFIDタグは、EPC Global Gen2 class1に対応したタグであれば、すべて使用できます。読取距離は、RFIDタグの形状に依存しますが、約10mまでの長距離読取が可能です。読取速度は、最大毎秒1,300個と高速ですので、短時間での棚卸が可能です。棚卸時間は、バーコードと比較すると20分の1以下に短縮できます。棚卸精度は99％以上ですが、様々な角度から読取をすることによって100％に近づけることができます。これは、目視やバーコードによるミスを凌ぐ精度です。 理論データをRFIDデータを照合 棚卸は、理論在庫データ（棚卸マスタ）と取得したRFIDデータを照合することにより実施します。したがって、例えば在庫が100個ある製品について、100個の読取ができれば完了です。99個の読取であれば、未読か欠品があることになりますので、繰り返し読取を行い、それでも99個の場合は、これを実在庫数とします。 理論在庫データは、上位システムからファイル転送、RFIDタグ印刷システムからの取り込み、RFIDタグを作成したデータの取り込み、入荷時などRFIDタグを読取した履歴データの利用が可能です。 管理番号方式とSGTIN方式に対応 RFIDタグのコード体系は、個別の管理番号を割り当てて管理する独自のスマイル方式と、商品コード（JANコード）単位に連番（シリアル番号）を割り当てて管理するGS1推奨のSGTIN方式に対応しています。スマイル方式は、設備管理や備品管理などに適しており、SGTIN方式は、商品管理に適しています。SGTIN方式は、JANコードを使用していますので、バーコードを読み取った場合とRFIDタグを読み取った場合が、同じ商品コードになります。

業務用モバイルを搭載したRFIDスレッドリーダ

RFIDスレッドリーダ RFR901は、業務用モバイルコンピュータを搭載できるスレッド型RFIDリーダです。RFIDリーダとモバイルデバイスは、接点で接続されますので、電波環境に影響されず安定した通信が可能です。RFR901は毎秒1300個の高速読取と約10mの長距離読取が可能です。

搭載するモバイルコンピュータHF550Xは、Android 10、Qualcomm Snapdragon™660プロセッサ（オクタコア 2.2GHz）、5.5インチの大画面、802.11a/b/g/n/ac、13MP/5MPカメラ、BLE5.0、4GB/32GBによる高い性能を持ち、1D/2Dスキャナを搭載していますので、幅広い業務に使用できます。

RFR901+HF550X

HF550X

棚卸マスタ（理論在庫データ）の準備

棚卸は、理論在庫にあたる棚卸マスターと読取したRFIDデータを照合し、在庫チェックを付ける作業になりますので、必ず在庫データが必要です。しかも、タグID付の在庫データでなければなりません。むしろ、タグID以外の情報は、棚卸で使用していません。棚卸マスタのデータは、次の方法で作成することができます。

① RFIDタグ書込履歴データ

RFIDタグにデータを書き込んだとき、タグ書込履歴ファイルガ作成されるので、その履歴ファイルを棚卸マスタとして使用します。RFIDタグに書き込んだタイミングでファイルが作成されますので、ファイルを統合して棚卸マスタを作成する必要があります。

②RFIDタグ読取履歴データ

RFIDタグを読み込んだとき、タグ読込履歴ファイルが作成されるので、その履歴ファイルを棚卸マスタとして使用します。RFIDタグを読み込んだタイミングでファイルが作成されますので、ファイルを統合して棚卸マスタを作成する必要があります。

③ RFIDタグ印刷データ

指定したタグIDを事前に作成し、ラベルプリンタでRFIDラベルを作成し、製品に貼付します。この印刷時に使用したファイルを棚卸マスタに使用します。タグIDの生成には、PC用のタグID生成ツールをご使用ください。

④ 事前準備データ

 お客様が上位システムや別システムでタグID付在庫データを準備して、それを棚卸マスタに使用します。

棚卸の手順

棚卸は、棚卸マスターデータを受信し、棚卸の準備をします。次に、ロケーションが設定されている場合は、ロケ選択をします。そして、RFIDリーダのトリガーボタンをおして読取を開始します。読取が完了したRFIDタグ表示は色が変わりますので、読取完了を確認することができます。最後に棚卸が完了したデータを送信します。

マスタの受信	ロケ選択	棚卸の実施	マスタの送信
マスタ受信ボタンを押し、確認メッセージでYESを選択すると、現在の棚卸マスタをクリアし、新しい棚卸マスタを取込ます。	ロケーションが設定されていると、設定されているロケーション毎に分類されてロケ選択が表示されます。	トリガーを引くと存在するタグIDを受信します。 受信したタグIDは、読取済として読み取った日時がセットされ、色が変わります。	マスタ送信ボタンを押し、確認メッセージでYESを選択すると、棚卸マスタの結果ファイルを作成しサーバに送信します。
実行するたびに、現在の棚卸結果は消去されます。	棚卸をするロケーションを選択します。	一度読取ったRFIDタグは、再度読み取ることはありません。 右上の表示条件を変更すると、未読、読取済、ロケ違い等の条件で絞り込まれ表示されます。	ファイル送信は、何度も実行することができ、その時点でも棚卸結果データを作成して送信します。

ERR（エラー）タグについて

棚卸マスタに存在しないRFIDタグは、ERRタグとして表示されます。ERRタグは、メインメニューに戻る際にクリアするかどうかを聞いてきます。クリアしなければ、棚卸結果ファイルにERRタグとして出力されます。棚卸結果ファイルに不要な場合は、ERRタグをクリアしてください。