音声ピッキングとは
音声ピッキングは、音声による指示(アナウンス)と音声による確認(返答)によるピッキング方式です。欧米では、バーコードに比べ物流効率が高いことから、急速に普及してきています。日本でも、重量物、ケース品、フォークリフト出荷など、ハンドフリーが有効な場所や、ハンディターミナルが使用できない冷凍庫など、特定分野で注目されています。

ピッキング方式の比較
従来のリストピッキング(ペーパーピッキング)やバーコードピッキング(ハンディピッキング)に比べ、ハンドフリーにより物流効率を約10%改善できます。また、デジタルピッキング(表示器ピッキング)に比べ、棚追加や棚変更等がフレキシブルであり、表示器の読み間違いがありません。
| ピッキング方式 | 音声方式 | デジタル方式 | バーコード方式 | リスト方式 |
| 指示方法 | アナウンス | 表示器 | ハンディ画面 | 伝票、指示書 |
| 棚確認方法 | 確認数字の発声 | ランプ表示 | バーコード読取 | 目視 |
| 数量確認方法 | 発声 | 表示器の読取 | 画面の読取 | 目視 |
| 操作性 | ハンズフリー | ハンズフリー | 片手にハンディ | 片手に紙とペン |
| 耐久性 | 落下による障害なし | ー | 落下による障害の可能性 | ー |
| 作業効率 | 早い | 早い | 遅い | 遅い |
| 出荷精度 | 高い | 高い | 高い | 低い |
| 使用条件 | 1棚/1商品 | 1棚1商品。表示器の設置 | 1棚/1商品(原則)。バーコード表示> | 制約なし |
| メリット | バーコード表示/表示器の設置が不要。冷凍庫使用 | 短いタクトタイム | ロット番号等の入力。商品の検品 | 投資額ゼロ |
| リスク、ディメリット | 話癖や騒音による認識率の低下 | 表示器の読み間違い。困難な棚変更 | バーコード読取不良。落下による故障 | 誤出荷 |
| 適した用途 | 重量物、ケース品、フォークリフト、冷凍庫 | ピースピッキング | ロット番号等による履歴管理 | - |
| 応用 | バーコードと併用で、履歴管理や検品 | 音声で棚番指示 | 音声で棚番指示 | - |
ピッキング方式の比較ビデオ
リストピッキング、パーコードピッキング、音声ピッキングのピッキング速度を比較したビデオです。左の音声ピッキングは、中央のリストピッキング、右のバーコードピッキングに比べ、作業効率が高いことが分かります。
アイズフリー、ハンズフリー
音声ピッキングの最大の特長は、アイズフリー(読取しない)とハンズフリー(両手が自由)です。アナウンスを聞きながら目的の場所に移動し、アナウンスを聞きながらピッキングを行いますので、物流効率がアップします。また、アナウンスに従い作業しますので、業務トレーニングが不要です。
特定話者か、不特定話者か
特性話者方式は、個人の癖を登録できますので、認識率を高めることができますが、数十分の登録作業は、管理者の負担が増します。一方、特定話者方式は、作業者の変更を自由に行うことができます。音声認識率を高めるためには、何れの場合も、数字、開始、終了など、単語を限定することが成功の秘訣です。
機械音声か、自然音声か
音声合成による機械音声は、テキストが音声になりますので、アナウンスの作成や変更が容易です。しかし、不自然なイントネーションは、認識率を低下させることがあります。一方、録音による自然音声は、作成、変更に手間が懸かりますが認識率が高く、しかも、疲れを最小化します。商品名をアナウンスする場合などは、機械音声と自然音声を併用することがあります。
専用端末か、汎用端末か
音声端末は、一般的に音声認識エンジンメーカの専用端末を使用します。しかし、音声認識エンジンがWindows対応であり、ヘッドセットが接続できるのであれば、汎用的なモバイルターミナルを使用することができます。汎用ターミナルは、バーコード機能を持つ機種が多いので、バーコードとの併用が容易です。
音声認識は、サーバか、クライアントか
音声認識は、早いデータ処理が必要ですので、かつてはサーバで行うことが主流でした。しかし、近年は、モバイルターミナルの処理能力が向上しましたので、クライアントで行うことが多くなっています。クライアントサイドの音声認識は、オフラインでの運用を可能にします。
音声ダイヤログとは
音声ダイヤログとは、音声による指示とその返答方法を決めた音声フローです。作業者がトレーニングなしに間違いなく運用するためには、シンプルな音声ダイヤログにすることが重要です。また、作業者が発音する範囲は、認識率を高めるために、「数字」、「はい」、「いいえ」などシンプルにすることが重要です。

